JR小山駅西口から思川へと伸びる祇園城通り。
その歴史ある通りで”MELT-Vintage&Old things-”(以下MELT)は、今日も選び抜いた古着で沢山の若者たちを魅了しています。オープンから1年で小山のサブカルチャー文化を引っ張る存在になった、MELT。そのMELTをゼロから作り上げてきた店長の福田裕紀さんに話を聞きました。
近頃、サブカルチャーの発展が進みつつあるニシグチエリアに出店した経緯や、店名の由来など、MELTの魅力をお伝えします。
Contents
若者たちを魅了するMELT
小山駅西口から徒歩3分ほどの場所にあるMELTは、多くの車と人が行き交う祇園城通りで、若者たちを魅了しています。
店内の雰囲気は「温かい」という表現がピッタリで、お店に入ると店長の裕紀さんが「いらっしゃいませ!」と優しく迎えてくれます。裕紀さんは白鴎大学のOBということもあり、白鴎大生をメインターゲットに古着を販売しているとのこと。実際にどのようなお客さんが来店するのかを聞いてみました。
MELTに来るお客さんの多くがInstagramを見て足を運んでくれるそうで、小山市内からだけでなく、宇都宮や隣県の群馬・茨城から来店するとのこと。古着屋巡りをしているお客さんが、佐野市や栃木市の古着屋に行った後にMELTを訪れることも多いようです。
店内のラックだけでなく壁にもディスプレイされた古着を見て、「自分だけの1着を見つけ出したい!」と思わせてくれるのも、MELTの魅力。ジャンルも豊富でアメリカのものだけではなく、ヨーロッパ系のものも置いたり、エスニックなものも置いています。
取り扱う古着のジャンルを決めているのか伺うと、「うちはまったく決めてない!」と裕紀さんは言います。
仕入れをするときは、自分の好みだったり、インスタで流行を見たり、業者さんに人気のものを聞きながら仕入れしています。
あとはインスタのアカウントで、お客さんに「仕入れて欲しいものありますかー?」と問いかけて、それを反映してる感じです!
お客さんに寄り添いつつ、お店の色も出せるように仕入れをされている裕紀さん。
東京まで古着を買い付けに行くことが多いそうです。
仕入れ先によって得意な服があるので、仕入れ先を分けるようにしていますね。
ただ、人が多かったり、移動があったりで結構大変です!
雨が降ったりすると、特に気が滅入ります。。。
裕紀さんがその手で選んできた服が並んでいるMELT。
自分で選びぬいた商品だからこそ、1着1着に愛情が込もっています。
MELTの誕生秘話
白鴎大学を卒業後、アパレル企業に就職された裕紀さん。
そこから企業を退職し、MELTをオープンさせたのにはどんな理由があったのか。
MELTのこれまでのコトを伺いました。
筆者:お店を開こうと思ったのは、いつ頃からでしたか?
MELT・裕紀さん:
入社当時は、自分のブランドを立ち上げられたら嬉しいなと、ぼやっとは思ってましたね。でも、それを忘れてしまうくらい忙しくて。
裕紀さんは入社後、22年間過ごした栃木を離れ、広島、愛知、茨城と配属先を転々とした後、3年間勤めた会社を退職することを決意。転職活動を機に、自分のお店を始めてみたいという思いが再び生まれてきたそうです。
MELT・裕紀さん:
自分のお店を30歳くらいになったら始めてみたい、という思いを母に伝えたんです。
すると、「30歳までお店を持つ為に働くなら、今お店を開いちゃえば」と言われました。(笑)
そこが1番のターニングポイントでしたね。就職してから燻っていた自分の思いに火が付きました。
お母さまからの後押しがあったのが2020年の2月。そしてMELTがオープンしたのは2020年の11月。
コネクションが無いところから、たった9か月で仕入れのルートを作り、MELTをオープンさせたという。
そんな裕紀さんの出身は日光にも関わらず、MELTがあるのは小山駅西口からすぐ近く。
どのような背景で、ニシグチエリアにお店をオープンしたのか尋ねてみました。
MELT・裕紀さん:
地元の日光、通学時によく利用した宇都宮、それか通っていた大学のある小山が出店先の候補でした。その中でも小山は退職後から住んでいましたし、Cafe FUJINUMAさんもあり、「小山のサブカルチャー頑張れそうじゃん!」って思っていました。そんなときに、駅の近くのテナントが偶然空いていたので、この場所にしました。本当に偶然ですね!
偶然今の場所に決まったと話す裕紀さん。
駅からとても近く、足を運びやすいこともMELTの魅力の一つですね。
”MELT”に込めたメッセージ
MELTという店名は常連客には馴染み深いですが、どうやら他にも候補があったそうです。
MELT・裕紀さん:
「ピオニール」がもう一つの候補でした。パイオニアのヨーロッパ読みですね。小山駅の西口で新たに頑張っていきたい、という思いから「先駆者」という意味のピオニールも候補にしていました。その時、奥さんに「MELTにするか、ピオニールにするか」という話をしたところ「MELTの方がかわいいんじゃない?」と言われ、MELTにしました!
奥様の一言で決まった”MELT”。
その”MELT”は裕紀さんの過去の体験と、意外な背景から生まれたそうです。
MELT・裕紀さん:
以前勤めていた地域には古着屋さんが多かったんです。勤務していたアパレルはメンズの着用が自由でした。そこから古着屋さんに通うようになり、休みの日も街に出て古着屋に行く、というのがルーティンになりました。その時に、古着が自分の中に溶け込んできてる感じがしたんですよね。誰かの人生の1つに「溶け込む」お店になれたらいいな、ということで”MELT”が出てきました。あとは、チョコレートの「メルティーキッス」から”MELT”っていう響きがいいなって思っていました。(笑)
言いやすく、覚えやすい”MELT”という店名には、こんな背景があったんですね。
そして近頃は、こんな嬉しいこともあったそうです。
MELT・裕紀さん:
来てくれたお客さんが「休みだから来ました」とか「授業終わったので来ました!」と言ってもらえると本当に嬉しいです。誰かの人生の1ページに”溶け込んでいる”実感が湧きますね。
多くの若者の生活に、”溶け込んでいる”MELT。
今後も、より多くの若者に馴染み、溶け込んでいくのではないでしょうか。
2年目、そしてこれからのMELT
2021年11月に、オープン1周年を迎えたMELT。
今後の展望についても聞いてみました。
MELT・裕紀さん:
実は2店舗目を開店できたらいいなと考えています。うちはお店がガラス張りなので、店内の状況がすぐ分かるんですね。そこで、「混んでるからやめとこう」とか「また後で来よう」という風に残念な思いをしてしまう方たちが一定数いらっしゃったので、そういう人たちと接点を持ちたいっていうのが一つです。
MELT・裕紀さん:
あと、うちは白鴎の大行寺キャンパスの子たちが多いので、東口の本キャンパスの子たちとかTBCに通う子たちを取り込みたいな、と思っています。2店舗目ができると、うちや東口のOWEYOUさん、yellowmonkeysさん行って、FUJINUMAでご飯食べて、ハーベストに行ってという感じで小山市で1日過ごせるようになるんですよね。愛着のない洋服を着るより、足しげく通ったお店で買う1着の方が楽しいと思っています。そのために、ポイントカードや紙袋のデザインなどで付加価値を付けていきたいですね。
裕紀さんがMELTの今後だけでなく、小山市が今後より一層活気づいていくことまでお話されていたことが印象的でした。小山市で1日過ごす若者が増え、サブカルチャーがさらに盛り上がっていくことを想像するとワクワクしますね。
自分だけの1着を求めて、MELTに足を運んで見てはどうでしょうか。
ここの記事に書いたこと以外にも、沢山のことをお話してくださいました。
お時間を作っていただいたMELTの裕紀さん、ありがとうございました!
MELT -Vintage&Old- のアクセス・営業時間
「MELT」 のアクセス・営業時間は以下のとおりです。
- 住所:〒323-0025 栃木県小山市城山町3丁目1-24
- アクセス:JR小山駅西口から徒歩2分
- 営業時間:13:00~20:00
- 定休日:公式Instagramにて告知
- お問い合わせ:公式Instagramまで
- 公式Instagram、オンラインショップ
- ▽MAP
平日は10代後半から20代前半の高校生・大学生が多いですね。
休日になると、20代後半くらいまで年齢層が広がります!