小山市のまちなかボランティアガイド「いいとこ教え隊」のガイドツアーに参加してきました。
歴史をたどり、説明を受けながら歩く町並みは、いつもなにげに通り過ぎている景色も違って見えてきます。ボランティアガイドさんの説明はわかりやすく、驚きと発見の連続!とても楽しい時間を過ごすことができました。
本記事では、小山のまちなかボランティアガイド「いいとこ教え隊」のガイドツアーの「開運コース」を紹介します。
Contents
「いいとこ教え隊」とは?無料のまちなかボランティアガイドツアー
「いいとこ教え隊」とは、まちなかボランティアガイドさんが小山の歴史や文化などの史跡をガイドをしてくれるガイドツアー。
事前の申込みが必要ですが、料金はなんと無料です。
ガイドツアーは、「開運コース」、「小山氏城址コース」の2種類があり所要時間はどちらも約2時間半。歩いて小山市の街中の歴史スポットを巡ります。
今回参加したのは、「開運コース」。祗園城址など、小山駅西口エリアを巡るコースです。
ツアーの出発地点は、「小山市まちの駅思季彩館」。
小山市まちの駅思季彩館は、小山駅西口徒歩3分のところにあり、小山の特産品やお野菜、美味しいランチなどもいただけるスポット。週末を中心にキッチンカーの出店などのイベントもよく開催しています。
- 住所:栃木県小山市中央町3-5-3
- 公式Facebookページ
今回、ガイドをしていただいたのは、小山市出身の椎名大さん(78歳)と盛岡市出身の小山和夫さん(71歳)のお2人。
お二人のガイド歴は4年ほど。勉強会などに参加し歴史などを学び、ガイドをつとめるまでになったそうです。歴史や文化の知識が幅広く詳しいだけでなく、お二人ともとても話がお上手!難しく感じてしまうような歴史の話でも興味深く、楽しく聞くことができましたよ。
それでは、ガイドツアーの出発です!
小山駅西口エリアの歴史スポットを巡るガイドツアー!
参加した「開運コース」は、まちの駅思季彩館を出発し、以下の約10箇所のスポットを巡るコース。
- 小山宿脇元本陣跡(明治天皇行在所跡)
- 宮井戸跡
- 須賀神社参道
- 須賀神社
- 妙建寺
- 小山評定跡(市役所前庭)
- 小山御殿跡
- 祇園城跡(城山公園)
- 祇園城跡の大銀杏
- 天翁院
所要時間は約2時間半。4キロほど歩きます。
小山宿脇本陣跡(明治天皇行在所跡)
まちの駅思季彩館を出発してまず向かうのは、小山宿脇本陣跡。
「まちの駅思季彩館」の前の通りの道は日光街道。
小山宿は日本橋から数えて12番目の宿場町。江戸時代に、大名などの宿泊所として利用されていました。かつては旅籠が74件ほどあったそうで、とても賑わっていた様子がうかがえます。
こちらは、明治天皇の行幸の際に御所として利用された場所。奥に見える建物が御所で、手前に石碑が建っています。
御所の建物は、なんと今は空き家となっているそう。屋根の美しい装飾や建物の造り、ぜひもっと間近で見てみたいですね。
- 住所:〒323-0023 栃木県小山市中央町2丁目11
宮井戸跡 小山の銘酒を生んだ酒造りに好適な硬水の井戸
続いて訪れたのは、住宅地街のマンションの敷地内の一角にある井戸の跡。こんなこところに井戸の跡があったなんて!
こちらの井戸は小山の銘酒を生んだ酒造りに好適な硬水の井戸。明治時代にここで酒を醸造・販売していた「近江屋」で使われていた井戸です。
わたしは3年前に小山市に引っ越してきて、小山市に意外と酒蔵が多くあることに驚いた記憶があります。小山市には現在でも5つの酒蔵がありますよ。
住所:〒323-0024 栃木県小山市宮本町2丁目3−1
須賀神社参道〜須賀神社
続いて訪れたのは、須賀神社の参道。
この参道、美しいですよね。両側にはケヤキやイチョウの大木が茂り、朱色の灯籠は百基並んでいます。
季節を通して美しい景色に出会えるこの場所は、フォトスポットとしてもおすすめ。小山市へ訪れたらぜひ足を運んでほしい場所の1つです。
参道から神社境内へ続く道は、現在は道路で分断していますが、少し前までは参道から境内へはアーチ型の歩道で結ばれていたんですね。
須賀神社の境内にある小山評定之牌。
栃木県のなかでも古い鳥居もあります。
祇園祭の大神輿を建物越しに見学。奉納されている朱神輿を建物のガラス越しに見学。なんて艶やかで美しい神輿。2トンもの重さがあり、本殿の50分の1の縮尺で造られています。
小山市の祇園祭のときのお神輿を担ぐかけ声は「ワッショイワッショイ!」ではなく、「アンゴステンノー!アンゴステンノー!」。
驚きです!なんて独特なかけ声なんでしょうか。知りませんでした。
ツアー参加者で小山育ちの方の話では、むしろ「アンゴステンノー!」のかけ声が普通という感覚でした。たしかに身近なお祭りのかけ声が一般的だと思いますよね。おもしろいです!
この独特なかけ声の由来は、「なむごずてんのう(南無牛頭天王=祇園精舎の守護神)」がなまって「アンゴステンノウー!」となったことによるそうです。
小山氏の左巴の家紋。
小山氏の家紋は左二つ巴ですが、大石内蔵助の大石家の家紋は丸い部分の頭が逆時計回りに向かう右二つ巴です。
- 住所:〒323-0024 栃木県小山市宮本町1-2-4
- 公式サイトはこちら
妙建寺 見事な天井画を見学!
須賀神社の次に訪れたのは、妙健寺。髭文字で書かれている宝塔が立派ですね。
本堂の中を見学させてもらいました。格天井に書かれた小倉百人一首と龍の絵は見事。
咲き始めた梅の花と本堂。院内にある枝垂桜は桜の季節には見事な花を咲かせ、天井画とともにおやま百景にも選ばれています。
- 住所:〒323-0024 栃木県小山市宮本町1丁目1−17
- 公式サイト
小山評定跡(市役所前庭)〜小山御殿跡
こちらは小山市役所前にある小山評定跡。
小山評定とは、天下分け目の関ヶ原の戦いのときに、徳川家の命運を決する重要な軍議が開かれた場所。
参加者の質問にもわかりやすく答えていただきました。なるほど、江戸時代には思川から利根川と水路で江戸との間を行き来できたんですね!
小山御殿は、将軍家の日光社参の休泊施設として、江戸時代に造営されました。土塁や堀の跡が今でも残っています。
この盛り上がっている部分がちょうど土塁や堀の跡なんですね。気づきませんでした。
- 住所:〒323-0023 栃木県小山市中央町1丁目1−1
美味しい寄り道!「思水堂菓子店」へ寄り道
道沿いにあった和菓子屋さん「思水堂菓子店」へ寄り道。草餅を頬張りながら次の目的地へ向かいます。
草餅は、よもぎのいい香りが口の中に広がり、柔らかいお餅にしっかりとした甘さがある粒餡。美味しくいただきました。
- 住所:〒323-0023 栃木県小山市中央町1丁目3−28
- 月曜定休、営業時間:火〜土曜日…10時〜18時、日曜日:10時〜17時半
祇園城跡(城山公園) 中世小山氏の城跡
こちらは国指定史跡の祇園城跡。中世小山氏の城跡です。城内に祇園社を祀ったことから、祗園城という名がつきました。
城跡には、土塁や空堀、曲輪跡などが残っています。
▽祗園城の大銀杏
落城のときに、姫君が井戸に身を投げて目印に挿した銀杏がおおきくなったという悲劇の言い伝えが残っています。
城山公園には、高低差が10メートルほどの土塁がそのまま残っています。これほどの高さの規模の土塁は全国でも貴重だそうです。
城跡を中世小山氏を想いながら歩きすすめると、景色がまるで違って見えました。ワクワクして、まるでちょっとした冒険気分を味わえます。
- 住所:〒323-0025 栃木県小山市城山町1丁目1
天翁院 小山氏の菩提寺
祗園城跡の一角にあるお寺が天翁院。小山一族の菩提寺です。
天翁院で、小山氏の墓所をめぐり、今回のツアーはおしまいです。
▽秋に訪れた天翁院は紅葉で美しく彩られていました!詳しくはこちらの記事から
- 住所:〒323-0026 栃木県小山市本郷町1丁目9−41
鎌倉時代、江戸時代、明治時代。いろいろな時代の歴史を辿り交差しながら、歩く街中の景色はいつもと違って見えて、驚きと発見の連続でした。ツアーの2時間半は楽しくてあっという間。
知っているからこそ、見えてくる景色がありますよね。
最後に天翁院の前でガイドを努めていただいた椎名さん小山さんと、ツアー参加者みんなで一緒にパチリと記念撮影。
小山氏の左巴の家紋のポーズとともに!(数名逆になっています)
小山駅西口エリアには、知らない魅力であふれていました!のんびりと歩きながら、歴史スポットをめぐるのもおすすめですよ。
いいとこ教え隊おやまのまちなかボランティアガイドツアーについて
いいとこ教え隊おやまのまちなかボランティアガイドツアーの申込方法などは以下のとおりです。
- 申し込み方法:1週間前までにFAXまたは電話で申し込み
- 料金:無料
- 申し込み先:小山商工会議所内「いいとこ教え隊 おやま」事務局
- TEL:0285-22-0253 ・ 【FAX】0285-22-0245
- 小山商工会議所のホームページ
- いいとこ教え隊おやままちなかボランティアガイドの申し込み用紙